マスターエマコ S 990 ポリマーセメント系モルタル材(旧エマコ S99P)

マスターエマコ S990は、セメント、砂、粉末ポリマーなどの必要成分をあらかじめ調整混合した、プレミックスタイプです。

所定量の練混ぜ水を加えて練り混ぜるだけで、硬化収縮が小さい補修用のポリマーセメントモルタルが得られます。また、マスターエマコ S990 は、厚付け性およびポンプ圧送性に優れているため、特に吹付け工法による断面修復工事を容易に行うことができます。

 

|特長

1回の吹付けにより、コンクリートはつり面の天井面には20mm厚、垂直面では40mm厚の施工ができます。
ポリマー成分の作用により、コンクリートとの付着性に優れています。
ポンプ圧送性に優れ、跳ね返り、粉塵の発生が少ない吹付け施工が行えます。こて塗り施工も可能です。
プレミックス製品のため取り扱いが容易で、硬化収縮が小さい、品質の安定したポリマーセメントモルタルが得られます。

 

|用途

コンクリート構造物(一般建築物、土木構造物、港湾・海洋構造物等)の断面修復

 

|仕様

配合

1㎥当たりの標準仕様量

可使時間

(20°C)

マスターエマコ

S990

仕様水量

マスターエマコ

S990

単位水量

25kg

(1袋)

3.5~4.5kg

1750kg

(70袋)

301kg 約60分

|施工方法

1.健全なコンクリート面を露出させ、粗面状態で余剰水のない湿潤面とした上で施工してください。
湿潤面にできない場合は、乾燥した粗面に断面修復材用プライマー「マスター工マコ C 150」を塗布した上で施工してください。

2.鉄筋が腐食している場合は、「マスター工マコS 100」または「マスター工マコ S200/S22O」で適切な防錯処理を行ってください。

3.マスター工マコ S990は「すぐ使える」プレミックス製品です。

使用時に所定量の練混ぜ水を加えて、ミキサ で均ーに練り混ぜてから使用してください。

 

|施工手順

1. 下地処理

鉄筋のはつり出し、発錆鉄筋の処理

発錆した鉄筋の周辺コンクリートをはつり取り、鉄筋を露出させます。露出させた鉄筋は、ワイヤーブラシ等を用いて錆を除去します。錆を除去した鉄筋は清掃した後、防錆剤を塗布します。

 

表層の浮き処理、ひび割れ処理、表面劣化の処理をおこないます。

必要に応じて(吹付け厚さ40mm以上)溶接金網(目開き50mm)等を取り付ける。施工面は粗面に調整する。

2. 施工計画

養 生
近接する部材、その他仕上げ面を汚損しないように、ポリエチレンフィルム等で養生を行います。
また、施工後にモルタルが所定の性能を発揮するように、温度・通風・日照・雨等対する養生も同時に計画します。

3. 施工

●計 量

エマコS99Pは、プレミックスタイプの材料ですので、袋単位で使用して下さい。練混ぜ水は、重量計量および規定水量をマー

キングした計量容器による容積計量を行います。

 

●練り混ぜ

NMB式ハンドミキサ*の場合は1袋、左官用ミキサの場合は表示容量の60%を目安にして下さい。

使用ミキサによって材料の投入順序、練混ぜ時間が異なりますので試験練りによって練混ぜ方法を決めて下さい。

 

●こて塗り施工

1)開始前の下地処理

施工に先立ち、下地面が湿潤状態になっていることを確認して下さい。

乾燥している場合は湿潤処理し、余剰水は除去します。湿潤処理が出来ない場合は、乾燥している面に断面修復用プライマー「エマコC150」を噴霧器で塗布し、自然乾燥させて下さい。

 

2)仕上げ厚さとこて塗り回数

練混ぜたエマコS99Pをこてで下地の凹凸の奥までくい込ませる(しごく)ように施工します。
その作業が終了後、所定の厚さまでこてで施工します。

1回の施工厚さは、施工面の状態、広さ等によって異なりますが、一般的には天井面で20mm、垂直面で30mmを目安にします。

 

3)表面仕上げ

モルタルの表面仕上げは、塗布後30分~60分程度養生し金こてで仕上げ、その後30分程度養生し再
度金こてで仕上げて下さい。その際、こて滑りが悪い場合は軽く水打ちしながら仕上げて下さい。

3. 養生

施工中および施工後の養生は、下記事項に注意しながら適当な処置を行って下さい。
1)急激な乾燥を防止するため、必要に応じて「マスターキュア106」・巻きビニール等で養生して下さい。
2)寒冷時、暑中およびこれに準じる環境下では6.2項で述べた養生を行って下さい。

 

ダウンロード
詳しくは施工要領書をご覧ください
※この施工要領書は旧名マスターエマコ S 99Pと表記されていますが、施工手順の内容は同一で変わりはありません。
エマコS99P標準施工要領書(コテ) (1).pdf
PDFファイル 433.3 KB

|物性試験結果例

|施工上の注意事項

1.本品の練混ぜには必ずミキサを用い、練混ぜ水には水道水またはこれに準ずるものを使用してください。

 

2.練混ぜにアルミ製の羽根等を使用した場合、異常膨張する恐れがあるため使用しないでください。

 

3.練上り温度は、10~30°Cの範囲となるように練混ぜ水の温度を調整してください。

 

 

|取扱上の注意事項

1.本品は吸湿性を有する粉末品ですのでセメントと同様に取り扱い、袋単位で使用し、破袋または一度開封して放置 された製品は使用しないでください。

2.本品は水や汗・涙等の水分と接触すると強いアルカリ性になり、皮膚、目、呼吸器等を刺激したり、粘膜に炎症を起こすことがあります。

3.取り扱いに当たっては、防塵マスク、保護メガネ、ゴム手袋等の保護具を着用してください。

4.目に入った場合は、速やかに清浄な水で十分洗眼した後、専門医の診察を受けてください。

5.皮膚に付着した場合は、速やかに水で洗い流し、必要に応じて専門医の診察を受けてください。

6.飲み込んだ場合は、多量の水を飲ませ、吐かせた後、専門医の診察を受けてください。