無言の年賀状

私の大学時代の友人で、京都にいる石橋君から毎年正月に1枚の色紙が送られてきます。彼は面白い経歴で、1年と2年の時はボクシング部に所属し、3年、4年の時は美術部に所属しているという変わった経歴の持ち主です。同じアパートだったので、その影響を受けて私も油絵を教えてもらっていました。卒業後は離ればなれになり、年賀状だけは毎年出していましたが、彼からは一通も来たことがありません。何年か後に彼から1枚の色紙が年末に送られてくるようになりました。コメントは一切ありません。京都でデザイン関係の仕事をするとは聞いていましたが、その色紙には毎年の干支が描かれていました。最初はそれほどでもないと思っていましたが、最近では手の込んだ芸術的な干支になって来ました。紙や布の貼り絵や、切り絵です。今年の「巳」は、透明の樹脂をかぶせて立体感のある「巳」になっています。

 

相変わらず「コメント」は一切ありませんが、彼もがんばっているなあ~、とか元気なんだと安心します。

 

携帯、メール、SNS、ラインなど連絡は簡単に取れる時代ですが、何も言わない1枚のデザイン色紙。

でも、彼の元気そうな顔が浮かんできます。

「よし!俺も頑張るぞ」と毎年元気をもらっている私です。 宮崎