お取引先のメーカーさんが、新しい表情の土壁を発売するという情報を頂きました。土が乾燥して入る「ひび割れ」を敢えて出した仕上壁だそうです。日本では古来より住まいの壁には土を使ってきました。冬暖かく、夏涼しい空間を作ってくれ、湿度の高い日本の気候にはもってこいの素材だったのです。昭和の中頃までは、住宅の壁は土壁が主流でしたが、空調機器の発達ですっかり使われなくなってしまいました。
しかしながら、自然界にある「土」という素材が醸し出す表情には、愛着というか親しみがあり、どこか暖かさと安心感が感じられます。
土が醸し出す表情にもいろいろありますが、ひび割れた土が表す表情にも荒々しさや美しさなどの面白さがあります。
既に昔からひび割れを出す仕上壁は使われていましたが、壁全体に均一に細かいひび割れを出すのは非常に難しかったようです。
別のメーカーさんでは、既に「土壁空間 大地」という商品名で発売されておりますが、ひびを全体に均一に出すには慣れが必要のようです。
こんど発売される土壁には、使い易さと美しい表情に期待したいもんです。 宮﨑