当社では、御影石や大理石などの石材を取り扱っておりますが、仕入先の(株)松下産業さんより面白い「石のはなし」を頂きましたので、皆さんにご紹介します。
022年9月27日~30日、イタリアのヴェローナで開催されたヴェローナフェア「MARMO+MAC 2022」のある石材メーカーさんのブースに展示された巨大なオブジェです。
最初に見たときは何かと思いましたが、巨大なタイヤです。
しかもイタリア産の代表的な「ビアンコカララ」という大理石で出来ており、高さも3m近くある巨大な大理石のオブジェです。
石の加工技術も進歩しており、水を使った高圧切断機やレーザー切断機、サンドブラスト加工、コンピューターによる数値制御装置(NC加工機)などでこんな物まで作る事が出来るんですね!。さすがイタリアという感じです。
イタリアの大理石と言えば、大理石を使った芸術品や建造物が有名です。その建造物の代表と言われるのが、トスカーナ地方にある「シエナ大聖堂」ではないでしょうか。
此処の床、壁、天井とあらゆるところが芸術品の塊みたいな建物で、何から何まで豪華絢爛で、見れば見るほどため息が出るそうです。色鮮やかな大理石で施されたファサードが青空に映える一方で、内装は白黒の縞模様で統一されており、全く違った雰囲気で印象的です。
白は「ビアンコ・カラーラ」、黒は「蛇紋岩」、黄色あるいは金色の「ジャッロ・シエーナ」、
赤の「ロッソ・アンモニチコ」など、トスカーナの各地域で採石された23の石が使用されています。
金色の大理石=Giallo Siena シエナ イエローはその名前の通りイタリア中部トスカーナ州シエナ県近郊になります。
この石は2億5千万年以上前の三畳紀と呼ばれる地質時代にアペニン山の変成層の中に埋もれた金色の角礫岩が、ひまわりのような見事な大理石 シエナ・イエローを誕生させました。採掘は現在も稼働中ですが採掘量は限られています。
この貴重なイエローシエナは、アメリカ前大統領ドナルド・トランプが所有するニューヨークの「トランプ・タワー」でも使用されている石です。
イタリアでもう一つ大理石の建造物で有名なのが「ピサの斜塔」です。
ピサの斜塔は、イタリアのトスカーナ州ピサ市にある世界遺産です。
ガリレオ・ガリレイが斜塔から物を落として「落下の法則」の実験をしたことでも有名ですよね!
ピサの斜塔でも使用されている石はいくつかありますが、代表的なのが「イエローシエナ」です。
ピサの大聖堂ドゥオーモの鐘楼として14世紀に完成した塔。建設途中から傾き、その姿から“斜塔”として有名になりましたが、上の2枚の写真を見比べて何か違いを感じませんか?
私には右の写真のほうが左の写真より傾いているように見えます。
皆さんはいかがですか?
実は全く同じ写真を、左右に並べただけです。
この現象を斜塔錯視(しゃとうさくし、leaning tower illusion)と言うそうです。ピサの斜塔などの斜塔の画像を横に並べることで生じる錯視で、まったく同じ画像を並べているにもかかわらず、斜塔の傾いている側の(右に傾いている画像なら右側の)塔のほうがより傾いて見え、あたかも異なる場所から撮影したように錯覚してしまうそうです。
石も堅物ながらいろんな要素を持っています。又何か面白い話が合ったらご紹介します。 宮﨑